Smiley face
写真・図版
日本郵便のトラック=2025年6月4日、東京都港区、西岡臣撮影

 郵便物が捨てられたり放置されたりした事案の一部を日本郵便が公表していない問題で、同社を指導監督する総務省が昨年、同社への検査で、非公表事案の件数や内容を把握していたことがわかった。総務省は指針で不祥事の速やかな公表を求めており、今回の問題について「適切に対応してきた」とするが、公表するよう指導したかは明らかにしていない。

  • シュレッダーに、トイレに、空き家に 郵便物の不配、非公表のわけは

 郵便局員らによる放置や隠匿で郵便物が適切に届かず、日本郵便が非公表とした事案は、2021~24年に少なくとも約30件、計約4千通(個)あったことが取材で判明した。差出人にとって、公表されなかったことで、相手に届かなかったことに気づけない恐れがある。日本郵便は発覚後の取材に、公表基準を見直す方針を示している。

 日本郵便株式会社法の規定で、総務省は日本郵便を検査したり、報告を求めたりすることができる。関係者によると、総務省は昨年夏までに同社を検査した。その中で、それまでの数年分の不配達事案について同社から報告を受けた。ロッカーや休憩室から郵便物が見つかったといった事案の具体的な内容と件数が、公表・非公表の区別と共に示されたという。

 日本郵便は、これらの事案全てが郵便法に違反する疑いがあると認めている。同社は取材に、非公表とした事案について「総務省に求められた際は報告している」としていた。

総務省、過去に日本郵便を繰り返し行政指導

 総務省は21年7月、日本郵…

共有